これが専門家は役に立たない証拠だ!

  YAHOOやらMSNならに、中途半端な記事が出ていたので、これをネタに専門家がいかに役に立たないかを書いてみようと思います。

  その記事はこちら。最近、目にすることが多くなった公的年金の繰り下げ支給の問題です。

繰り下げ受給した場合、どれだけ支給額が殖えるかが書かれています。まあ、ここまではよいでしょう。

 老齢基礎年金は当然のこと、老齢厚生年金も月単位での繰下げが可能です。繰下げた場合の増額率については、1カ月繰下げるごとに0.7%増額されます。
大まかな増額率を見てみましょう。
・1年(12月)繰下げで 8.4%
・2年(24月)繰下げで16.8%
・3年(36月)繰下げで25.2%
・4年(48月)繰下げで33.6%
・5年(60月)繰下げで42.0%

 問題はここからです。

老齢年金は終身の年金です。生きている限り支給されるものなので、寿命がいつまでかによって金額が変わってくるため、「これが得!」という答えはない、というのが現実です

 いきなり結論とその理由が書かれているのですが、なんとお粗末な回答でしょうか。これではそこらに転がっている三流FPと同じレベルです。

 この方の経歴を拝見すると、社労士として独立して20年のキャリアをお持ちのようなんですが、それでこのレベルですか。本当に大丈夫なんでしょうか。

 

 確かにこの問題に正解はないのですが、少なくとも専門家(しかも社労士!)であれば

・受給した年金には所得税、住民税、健康保険料が科せられるので手取りベースで検討する必要がある。

・医療費や介護サービスの個人負担割合も所得により1割から最大3割まで増加する可能性があるので、手取り額に加えて社会保障サービス負担額も検討する必要がある。

・年金受給者が独身か、配偶者や高校生以下の扶養家族がいるか、確定拠出年金企業年金私的年金の受給開始年齢とその額、年金以外の所得の種類・額などによって、受給額や税などに大きな影響がある。

くらいの留意事項を分かりやすく説明したうえで、「検討項目が多岐にわたるのでこれが得!という答えがない」という結論を導き出すべきでしょう。

 

 そのうえで相談に必要な項目を明示したうえで「税と社会保険両部門に詳しい専門家に相談しましょう」くらいで締めくくれば、無料の記事なので合格点を差し上げたいと思います。「終身年金だから何歳まで生きるかわからないから答えがない」と片づけてしまうようでは専門家として失格です。

 

 新聞やテレビで話題だからと便乗したのかもしれませんが、レベルの低い記事を書きあちこちにばら撒くのは、数少ないまじめで優秀な専門家の皆さんの足を引っ張る行為でしかありません。

 専門家の中には、こういう困った人の方が圧倒的に多いため、私は専門家なんて役に立たないとディすらなければならないのです。 

 

 

 そもそも、受け取るまで5年以上ある人はまだ考えても意味がありません。間違いなく年金や退職金に対する課税が強化されますし、年金や医療・介護保険についても必ず見直しが行われます。

 あわてる必要はありません。今は損得を考えるようは、本当に役に立つ本物の専門家を見つけることではないでしょうか。

 

 では、どうすれば本物の専門家に出会えるのかって?それはむずかしい問題ですね。ちょっと頭の中を整理してから私見を述べたいと思います。