引っ越し代を安くする必殺術 後編

 さて、最後は交渉です。

 

その前に一つ書いておきますが、交渉するためには繁忙期以外であることが絶対条件です。3月の週末の日中とか制約がある人は、残念ながら業者の言い値に近い金額でお願いするしかありません。

 

 他社よりも高ければ他社の見積もりを見せて交渉材料にすることは王道ですね。でもこれでは普通の価格交渉になってしまいます。時間がない方、交渉が面倒な方はここで終了です。

 

 頑張って交渉したい方はあともう一押ししてみましょう。いつも使える万能な術ではありませんが、決まれば必殺となりうる技を2つご紹介します。

 

 一つ目は、もし引っ越しの車両が複数台のときのみ有効な方法です。担当者は積み残しの発生を極端に嫌いますので、「3トンロング1台では心配なので2トン×2台で」と荷物量を保守的な見積もります。

 複数台になった時には、具体的にどれくらいオーバーするのかを確認しましょう。10~15箱くらいオーバーしますと言われたらこちらのもの。「引っ越しまでに荷物を減らすので1台で見積もってください」「万一積み残しが発生しても文句は言いません」と伝えて交渉してください。

 絶対不可能と言われればあきらめるしかありませんが、話の分かる方であれば相談に乗ってくれます。それでもし合意できれば、トラブルを避けるために見積書に「積み切り」と書いてもらいましょう。

 

 万一積み残しが発生した場合は自己責任ですので対処が必要ですが、遠距離の場合、車一台で10万円以上安くなりますから、積み残し分を1.処分する、2.宅急便で送る、3.自分で運ぶ等で対応すれば安くできます。特に自転車や家電のように車の中に無駄なスペースができるものは廃棄し新居で買いなおせばようでしょう。浮いた

 

 もう一つは引っ越しの日時決定を直前まで待てる場合です。運送業は固定費の塊です。だから空気を運ぶことを一番嫌います。

 例えば東京から広島に荷物を送ったあと、広島から東京の荷物があると配車にとってはベストの運行計画です。それができない場合は例えば広島から名古屋まで乗せて、名古屋から静岡は空車で走らせまた静岡から横浜まで・・・のように少しでも帰りの荷物を積んで空気を運ぶ時間を短くしようと考えています。

 だから日程調整の際に希望日を固定するのではなく、数日幅を持たせ、引っ越し日を相手に任せるのです。うまくハマれば原価程度の運賃で運んでくれますので格安になります。まあ、万が一空きが出なかったら困りますので、いったんは仮日程を決めておくのですが、空きが出たら日程変更してもよいのでギリギリまで調整してほしいと営業に頼むとようでしょう。

 急に「明後日の夕方なら」なんてことにもなりかねませんが、運が良ければ見積金額の半値以下で引っ越しできることもあります。

 

 いずれの方法も毎回有効というわけではありませんが、私は一つ目の方法で2回、二つ目の方法で3回成功しましたので一定程度再現性のある方法だと思います。

 

 ただし繰り返しになりますが、この必殺術はよい営業担当に出会ってこそ可能なものですから、一にも二にもよい営業担当者を見つけることが重要です。

 時間に制約があるからこんなことはできないよという方も、荷物を減らす、よい営業担当を見つけるの2点だけは手間を惜しまずに頑張ってください。

 

  私の場合、2つの技が同時に利用できたのは1度だけでしたが、その時は各社の見積もり29~38万円でしたが、最終的に14万円に抑えることができました。

 1つの技しか決まらなかったときでもおおむね相見積もりの最低価格より2~3割安くなりましたから、手間はかかりますがチャレンジする価値はあると思います。

 

 昨今の運送業界の情勢から考えて、交渉は難しいかもしれませんが、よい担当者を見つけ、よい方法を提案してもらえば他社見積もりよりも1000円安くしてとお願いする方法よりもコストを抑えることができると思います。

 

 最後に豆知識。混載便、車両交代(途中で積み替え)、乗務員交代(出発時と到着時でドライバーが違う)、派遣・アルバイト社員ありなどは 安くできますが、トラブル発生の可能性は高くなります。見積もりが出た段階で、こういう安かろう悪かろうになるような方法を取っていないかどうかは確認しておいた方がいいと思います。

 見積もりを見た後、難癖ではなく真面目に細かく質問をしておくと、担当者も手を抜かずにしっかりと対応してくれます。「ハイハイ、お任せしますよ」というと舐められる場合もありますので、見積もり訪問の時の営業担当者とのコミュニケーションには十分に気をつけてください。ただし、面倒なクレーマー予備軍と思われると逆効果ですので、ほどほどに。

 

 ※今後当面の間、最盛期の週末に個人が引っ越しすることは絶対に避けるべきです。慢性的にドライバーが不足しますので、繁忙期は価格交渉どころかいくらお金を積んでも引き受けてもらえない可能性が高くなっています。

 ちなみに、バブルの全盛期も今見たいに引っ越し業者が足りなくなったことがあります。当時、断ると角が立つのであきらめてもらうために東京大阪間の引っ越しに100万円の見積もりを出してきた会社もありました。今もそれに近い状態であるということは頭の片隅に入れておいてください。