消費税増税で株式市場が大混乱すると思う理由

 消費税の引き上げが実施される可能性が高くなってきたようです。もちろん、9月30日までは「やっぱり止めた」ということは可能でしょうが、システム改修、補助金の受け付けなど実務面はかなり走り始めているので、このあと中止するのはかなり困難なように思えます。

 

 世界中の景気先行指数も一致指数も悪化し、米中貿易摩擦ブレグジットなど政治的なゴタゴタも続くなど、悪材料が目白押しです。そんな中、消費税増税を実施するなんて経済的自殺行為にしか見えないのですが、株式市場はずいぶんと静かです。

 

 ここ数か月、経済学者、経済エコノミスト、アナリストなどいろいろな方の話を聞き「消費税引き上げたら大変なことになりませんか」と質問しているのですが、不思議なくらいにみなさん楽観的な考えをお持ちです。

 

 まあ、私が心配性なだけならいいのですが、プロの皆さんのおっしゃる楽観的である理由がしっくりこないので、いつまでたってもスッキリしません。

 というわけで、プロの方のご意見と私がすっきりしない理由を備忘録として残しておきたいと思います。

 

【プロの見解1】駆け込み需要が発生していない

 住宅、自動車、高額耐久消費財に駆け込み需要が発生していないので消費税増税後の落ち込みも少ない。

 →マンションを買いたい人はもう買っちゃって、買いたい人は値段が高すぎて変えないだけではないか。自動車や耐久消費財もわざわざ急いで買うのではなく、今のものをできるだけ長く使かおうと生活防衛的に考えているだけではないか。つまり、今でも既に財布に余力がないのではないかと私は思います。とすると、消費税増税は景気に対するとどめの一撃になりかねません。

 

【プロの見解2】景気対策が行われるから大丈夫

 軽減税率、幼児教育無償化、ポイント還元、商品券発行で増税額と同じだけの対策が行われるから景気に対して中立である。

 →消費税は全国民に影響がありますが、対策の受益者は偏っています。受益者の消費は落ち込まないでしょうが、受益者でない方はモロに影響を受けるので消費を抑制するでしょう。

 また、受益者も一時的には効果を実感するでしょうがそのありがたみはすぐに忘れ去ります。一方、買い物をするたびに負担感は感じ続け痛みは消えないので、いずれ受益者の皆さんも消費に慎重になるはずです。

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引用:「6兆円の消費税対策」の効果は? 税率10%まで半年、“成功体験”にできるか

 

 

 更に気になることがあります。不思議なことに専門家の先生方は一切触れませんが、公的年金の財政再計算の結果が確実に消費マインドを冷やします。8~9月ごろに公表されるでしょうが、そこでは今よりも負担が増え、年金が減るという話になります。そしてマスコミと野党の方々のネガティブキャンペーンを張るでしょう。

  さらに、消費税増税後は「庶民の生活は大変だ」と高給取りの議員さんやマスコミが騒ぎ立てて、消費者マインドを冷やし続けてくれるでしょう。

 

 

 これらを考えると少なくとも日本の経済は各国の中でもっとも悪影響を受けるはずですが、その影響を全く織り込んでいない株式市場は大混乱してもおかしくはありません。 

 

 経験則から言えば不安材料がてんこ盛りの時にみなが楽観論に傾いている時が一番危険です。「想定外」のことが起きると経済や市場が大混乱することは過去の歴史が証明しています。

 

 果たしてどうなるでしょうか。私の悪い予感が外れることを祈ります。