「累進配当株」という筋の悪い投資法

 株主総会ツアーや帰省が重なり、また2週間近く放置してしまいました。今日からまたゆるゆると再開します。

 

 毎年、この時期になると配当や優待自慢のブログばかりが目につきます。かれらの高尚なブログをうっかり拝読してしまい、激しい頭痛とめまいに襲われるのは私だけでしょうか。

 

 優待投資家については過去に文句をつけた記憶があるので今日は配当投資、とくに昨年あたりから盛り上がっている累進配当投資についてケチをつけたいと思います。

 

 累進配当とは「減配せず、配当維持もしくは増配を実施すること」のことです。現在、三菱商事や三井住友FGなど数社が株主還元の方針として掲げているようです。

 また、方針を発表してはいないもののキヤノン、ドコモ、JTあたりも多くの投資家に累進配当株と認められているようです。他にも花王、NTT、NTTドコモ、KDDIなどを推奨する人もあります。

 

 でもこの顔ぶれを見て気になることはありませんか?ほとんどの会社が大企業と呼ばれ、新卒就職ランキングでも上位に入るような会社ばかりです。そう、今現在の「いい会社」なのです。

 確かに10年後もいい会社であり続けるような気がしますが、今の2倍、3倍に成長している姿は想像できません。つまり旬を超えた企業ばかりなのです。

 

 

 三井住友FGはゼロ金利下の影響で今や構造不況業種と呼ばれていますし、通信系3社は政府の露骨な介入を受けこれ以上利益を増やすことは困難です。

 JTも世界的な反禁煙キャンペーンがやまず現状維持が手一杯、キヤノンもデジカメ・コピー機といったキャッシュマシーンの長期右下がり傾向に歯止めがかかりません。

  長期的に停滞する日本市場に依存せず、世界経済拡大の恩恵を受けられる可能性があるのは三菱商事花王くらいではないでしょうか。

 

 

 確かに「配当をもらってそれを再投資すれば長期的には最強である」という主張に一理あることは認めますが、これにはいくつか前提条件があります。

 

私見ですが私は前提条件として3つ挙げたいと思います。

 ①企業が長期的に成長していく(キャッシュフローが右上がりに増える)

 ②ガバナンスが機能している

 ③経営者がファイナンスを理解している

 

①についてはすでに触れました。②は正直なところなんとも言えませんが、ここ数年の日本の大企業の不祥事を見ていると安心とは言えません。③についても半分くらいの会社は怪しいと思います(理解していれば配当に偏向した株主還元は行わないはず)。

 

 累進配当株なら安心というお花畑の投資家の皆さんはおそらくこの前提条件に気づいていないのでしょうね。シーゲル教授の主張を疑うことなくそのまま信じ込んでいるだけだと思います。 

 

 いくら配当を減らさない、増やすと宣言していてもない袖は振れないのです。余命10~20年であれば、累進配当もアリだと思いますが、30~50代の人はそんな偏った投資方法なんか取らない方がいいですね。それならば、まだ世界株式型のインデックスファンドを購入したほうがはるかにましだと思います。

 

 累進配当株だけで資産形成と叫んでいる投資家が、出口のないおんぼろワンルームマンションを買って不労所得を手に入れたと喜んでいる意識高い系大家さんと同じに見えてしまうのはなぜでしょう。

 

 あぁ、また敵が増えてしまう。。。

 

 

 

 

 

 

 

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