そんなあなたは「老後貧乏」になる
金融広報中央委員会から2019年版の金融リテラシー調査の結果が公表されています。
日本銀行が事務局を務める組織が、全国25,000人を対象に実施した大規模な調査なので、この手の調査の中では最も信ぴょう性が高いものです(金融機関系の調査機関が行う調査は意図をもって行われるので参考程度にしかなりません)。
50ページ超の長めのレポートですが、丹念に読むととても多くの気づきが得られます。将来が不安だ、資産運用を始めようという方は一度目を通すといいでしょう。じっくり読んでも1時間もかかりませんから。
41ページ以降は、アンケートに使われた「調査票」がついていますからぜひ回答してみてください。みんなの回答結果も出ていますので、自分の金融リテラシーがどの程度なのかがよくわかると思います。
さて、今回の調査結果の中で興味を持ったのは今話題の公的年金に関する設問です。
Q27 公的年金に関する次の項目のうち、知っているものはどれですか。(いくつでも)
1. 自分が加入している公的年金の種類 63.6%
2. 自分が第何号被保険者か 40.8%
3. 年金受給のために必要とされる加入期間 43.0%
4. 受け取れる金額 37.1%
5. 自分の年金の支給開始年齢 45.2%
6. どれも知らない 23.7%
どうですか?みんな毎月何万円も保険料を払わされ、高い高いと文句ばっかり言っている割に、本当に公的年金のことを知らないんですねぇ。
なぜ何も知らないのに、将来が不安とか年金は払い損なんて言えるんでしょうねぇ。不思議でなりません。
何も知らないでいると、マスゴミの印象操作に乗せられ、クソブロガーやセミナー屋の煽り記事に引っかかって、間違った行動(ド素人の不動産投資、仮想通貨投資など)を起こし、ますます貧乏になっていきますよ。
えぇ、何十年にもわたって、鵜になって鵜匠(金融機関、不動産業者、セミナー屋)に貢ぎ続けること、請け合いです。(どうせ貢ぐならワンちゃん狙いでおネオちゃんやホスト君に貢ぐ方がよほどまし・・・)
この調査は(恐らく)無報酬で50問にも及ぶ調査票に回答しなければならないものです。またネットモニターによる調査ということですので、世の中の平均よりはリテラシーや意識が高かったり、資産や収入にゆとりのある人の割合が多いと思われます。
ですので、回答結果は実態より少し「かさ上げされている」はずなんですが、それでもこんなものです。
偉そうな親も学校の先生も会社の上司も、金融リテラシーについてはあなたと同じレベル、いやそれ以下なのです。無知なことを恥じることはありませんし、彼らのご高説に耳を傾ける必要もありません。
いきなり投資の勉強を始めるよりは、まずはこの調査票で満点を取れるくらいの知識を身につけましょう。それだけでも日本人の上位2割の金融知識を身に着けることができますし、老後貧乏になる可能性をかなり下げることができるでしょう。
本格的な資産運用なんてそのあとで十分です。