では昨日のアメリカ株は暴落か?

 昨日、「こんなのは暴落ではない」みたいなことを書いたら、じゃあこれでどうだとばかりに米国株が800ドルしてしまいました。いやぁ、実にタイムリーでしたね。

 

 もちろん、800ドル下げても暴落なんかではありません。1日に5%超下げたら急落でしょうがそれでも暴落ではありません。先進国の最も標準的な指標(ダウ、S&P500、日経平均、TOPIXなど)が1日で10%超下落したら、話は別ですが。 

 

 私の勝手な定義によりますと、株価指数が短期(1日)の場合で10%超、長期(数か月から1年)の場合で40~50%くらい下落すると、一人前の暴落ではないかと思います。(なお、個別株の場合は短期30%、長期80%)

 ただし、これは「必要条件」の話。このくらい下落しないとそもそも暴落かどうかを考える必要もないという目安です。本当の暴落と呼ぶためには、さらに「十分条件」が必要だと思ってます。 

 

 それは、「投資家の多くがパニック状態に陥ること」です。現在のように、景気の悪化や漠然とした不安が理由で下げているだけではパニックとは言えません。

 投資家の多くが、一刻も早く損失の恐怖から逃れたいと価格に関係なく大量の売り注文を出す状態にならないと「暴落」と呼ぶには物足りない気がするのです。

 

 では典型的な暴落とはどのようなものでしょうか。短期的な暴落の例は、やはり1987年のブラックマンデーでしょう。ダウ平均が1日で20%超、日欧各国も10%超下落しました。(一昨日のアルゼンチンもおそらく該当するでしょうが情報がないので判断しかねます)。

 長期的な例は、やはりリーマンショックではないでしょうか。増収増益を続けている会社もトヨタのように絶対に潰れない会社も、説明がつかない水準まで売られ続けましたから。

 

 ブラックマンデーどころか、リーマンショックすら知らない投資家の方も多いでしょうから、ぜひ、図書館にでも行って日経新聞の縮刷版でも見てきてください(夏休みの宿題です)。いろいろと気づきを得られますよ。

 

 

 今の状態を暴落とは思いませんが、気になることもあります。長期にわたる好景気、異常な低金利、金融機関・投資家・経営者のモラルの低下、各国間の政治・金融政策の足並みの乱れなど今の状況は、過去の暴落直前と共通点がたくさんあります。

 いわば、枯れ草に燃料が撒かれた状態です。あと火元があれば一気に燃え広がる可能性は十分にあります(こういう状態であれば、火元はマッチ一本どころか、火花一つで十分です)。だからとても不気味な感じはしています。暴落は来ないと思ってますが、来ても文句はいえないなぁという感じです(無責任?)。

 

 

 私は、昨今の株価の乱高下は暴落ではなく、「警報が発令されている」状態だと思います。

 気象警報と同じで「警報」が出たからと言って必ず被害が生じるわけではありません。むしろ、被害が出ることの方が稀です。でもやはり油断は禁物です。

 今すべきことは、万一に備えてリスクを取りすぎてないか、もし暴落になったら自分はどう行動すべきか、確認しておくことだと思います。

 

 

 毎度毎度、同じ結論で恐縮です(だって長期投資家がすべきことって単純なことばかりですから!)